栄養士・牛島 千春 さんに聞きました!「離乳食における魚の重要性」

栄養士さんにお話を伺いしました
離乳食は赤ちゃんが母乳やミルク以外の食品からも栄養をとり、幼児食へと移行するための大切なステップ。大きくなるにつれて母乳やミルクだけではエネルギーや栄養素が足りなくなってきます。離乳食はそれを補うための赤ちゃんの健康や発達に欠かせないものです。
また、味覚づくりも離乳食から始まっています。
味覚を育てるためにはできるだけ自然の素材を生かした食べ物を選ぶことや、さまざまな食材の味を体験させてあげることが大事です。
魚は離乳食初期から食べられる貴重な栄養源。良質なたんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなど成長に必要な栄養素が豊富に含まれています。
三大栄養素の一つであるたんぱく質は骨や筋肉、髪、皮膚、血液、内臓など体をつくる材料になります。消化も良く栄養価の高い魚は、離乳食で使用するたんぱく質源としておすすめです。
また魚には強い骨をつくるために必要なカルシウムやビタミンDなど、成長期のお子さんに必要な栄養素がたくさん含まれています。
脳の発達に必要なDHA
脳ももちろん食べたもので作られています。脳の発達は赤ちゃんから幼児期にピークを迎え、6歳で大人の脳の90%まで成長すると言われています。
脳は約60%が脂肪、残りの40%は主にたんぱく質でできています。
脂肪は構造の違いから大きく分けると植物油や魚油に多く含まれる「不飽和脂肪酸」、肉類の脂やバターなどに含まれる「飽和脂肪酸」の2種類に分類されます。
不飽和脂肪酸のうち、魚油に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、くるみや亜麻仁油に多く含まれるα-リノレン酸は「オメガ3脂肪酸」と言われ、脳の健康、血流を良くする、アレルギー抑制など様々なはたらきがあります。
体の中でつくることができないため食事から摂る必要があります。
とくに脳の健やかな成長のためにとりたい油は、魚に含まれるDHA。神経伝達をスムーズにし、記憶力や学習能力を向上する働きがあります。
【DHAを多く含む食品】
- さんま
- さば
- あじ
- いわし
- ぶり
などの油がよくのっている青魚に豊富に含まれます。
その他、まぐろ、まだい、さけ、うなぎ、かれいなど、魚はDHAの大事な供給源となります。
離乳食の段階に合わせて魚を選びましょう